隣にいても文字で会話

この前、電車で高校生くらいのカップルを見かけたんだけど、その様子が可愛いやら可笑しいやらで、目が離せませんでした。ちょうど私の正面の席に二人は座っていたんだけど、初めはカップルだとは思いませんでした。単に同年齢くらいの女の子と男の子が隣に座っているのかと思っていました。なぜなら全く会話をせずに、二人とも正面を向いていたからです。けど、あれ?っと気づいたその瞬間があったんです。女の子がものすごく不機嫌そうな顔で隣の男の子の腕をスマホでトントンと突いたんです。ん? カップルだったの?って感じでした。そしたら、男の子がリュックからスマホを取りだして、こちらも不機嫌そうにそれを見て、そして返信してるみたいでした。すると、今度は女の子がスマホを見て、その後に文字を打っていました。「ははぁーん」と思いました。彼らはケンカをしていて、たぶん彼女から隣の彼氏にLINEをしたんです。それで、彼女が彼にスマホを見るように促して、そこから隣にいながら一言も口をきかずにLINEでのやりとりを始めたんです。もちろん、その中身が私にはわからないから、二人の表情を見ながら、もう妄想が膨らんでしまいました。けど、イマドキの高校生ですよね。
でも、思い出したのは、最近の小説には結構な頻度でLINEでの会話が登場することです。古い小説だったら、駅で待ち合わせてもなかなか会えないとかすれ違いなんていう場面があったりしたけど、今では考えられません。固定電話から携帯電話へ、そしてスマホへ。手紙からメールへ、そしてLINEへ。これがあれば、電話番号さえもいらない時代ですものね。時代とともに、小説の内容も変化していますね。

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