この前のお休みの午後、久しぶりに何の予定もなかったから読書日和だとのんびり過ごしていました。「いつもならコーヒーだけど今日は紅茶にしてみようかな」なんて、友人からお土産にもらったフレーバーティーとクッキーを用意しました。読み始めたばかりの小説に集中できるし、なんて素敵な休日なんだろうって幸せを感じていました。しばらく小説のページをめくり、紅茶のカップに口を付けたその時、ふと気づいたんです。カシャカシャという音に。見ると、ワンコが寝っ転がりながら左手を頻繁に頭の方に動かしてるんです。どうやら、耳をかいているような……。「ん?」と疑問に思った私は、カップと本を置いて、ワンコに近づきました。「わぁ! いつのまに、こんなになってたの?」と驚きました。左耳が真っ赤になっていて、黒いツブツブの垢のような物がべったり内側についているんです。大変! 病院に行かなきゃ。とりあえず、コットンで耳の中を拭いて、夕方の診察時間に合わせて連れて行こうと決めました。診察時間までまだ時間があるものの、落ち着いて本なんて読んでいられません。のんびりの休日は一変です。
病院に行って診てもらうと、外耳炎でした。けど、奥の方までは炎症がなかったから一安心。耳を洗ってもらってお薬をもらって帰宅しました。でも、あぁ、私の読書日和はどこへやら。
月別アーカイブ: 2017年10月
父にとっての『バー』
『バー』という言葉は間違いなく大人の響きです。薄暗くちょっと危ない、本当は全然危なくなんかなくても、色んな人間模様を垣間見ることが出来る場所というイメージです。私は子供の頃に父が通っていたその場所に一度だけ連れて行ってもらったことがあります。なぜ一緒にそんなところに行ったのかは覚えていません。というより、私もあえて父に聞かなかったので今だに謎なんです。でも、子供から見たその世界は、何がそんなに良くて大人たちが集うのか全く理解のできない空間でした。
今、読んでる小説の舞台は『バー』です。主人公は『バー』のオーナーで、その店をオープンしたいきさつは波風が立つ人生の流れでそうなったという、偶然かつ必然の賜物です。そして、お客はというと、いかにも『バー』のお客という感じです。みんな、なにかしら秘密を持っていたり、逃げることができない自分の境遇の悩みを抱えていたりと、様々な人生を生きています。そんな生き様が見え隠れするのが『バー』なんです。お客がそこに求めているのは安らぎなのか非現実なのか……それも様々です。大人になった今、その小説を読んでいると、父が私を連れて行ったことにもきっと何か父なりの思いがあったんだろうなって思います。今さら聞こうとも思いませんけどね。