先日、頼まれて半日だけ知人のオフィスのお留守番に行きました。
「電話がかかってきたら要件を聞いてメモをし、後で折り返しの電話をすることを伝える」「メールをチェックして、もし急ぎのものがあればすぐに連絡を入れる」と、それさえ守っていれば、その他は好きなことをしていても良いというので、即効OKの返事をしてパソコン持参で行ってきたのです。
そこは、街の喧騒がうそのように静かなオフィスでした。さてと、というわけでオフィスの中を見渡していると、壁に日めくりカレンダーがあることに気づきました。日にちが大きく書いてあって、後は何やら細かい文字で文章が書かれています。あれっ?今日は何日?それは、3日前のカレンダーです。きっとめくり忘れているんだと思った私は、壁からそれを手に取りました。手に取ってカレンダーの文章を読んでみると、「へぇ」と感心することが書かれていました。1枚めくって読み、また1枚めくって読み。なんていうか、忙しい毎日のオアシスになるような心に沁みる温かい文章ばかりでした。ふと、もともとのページにもう一度戻ってみて思いました。もしかしたら、そこに書かれていることがすごく心に響くものがあって、あえてそのページを開いてあったのかなと。私はカレンダーを壁に戻しました。もちろん、そのまま時を止めて。
月別アーカイブ: 2016年4月
映画が先か小説が先か
小説やコミックが映画化されることはよくありますが、映画を観るのが先か、小説を読むのが先かで、その印象は大きく変わります。原作を読んでいない作品の映画を観てから小説を読む場合にはさほど影響はないのですが、逆の場合はそれはそれは、ビックリすることがあります。小説は、読む人によって頭の中に浮かぶ映像は全く違ったものになっていて、100人の読み手がいれば100通りの映像があるはずです。私も小説を読んでいると、いつの間にか主人公をはじめ登場人物の顔や姿が頭の中に出来上がっています。だから、映画を観たときに「ほっほー、そう来たか」と思うことがあります。
この前観た映画は、まさにそれ!主人公を演じている俳優さんは有名で、その作品についてテレビでも何度となく話をしていたので、違和感なく受け入れられたのですが、脇を固めている俳優さんのうち一人は、私の頭の中の人物とはおよそ似ても似つかない人で、思わず「へぇー、そうなんだ」と声を出してしまいました。なぜなら、その俳優さんは正統派のどっちかというと可愛い系の大学生って感じだったんだけど、私の頭の中の彼は、もっとむさくるしい感じでワイルドな青年だったからなんです。
そして実際に映画を観た感想は、その俳優さんは上手く演じていて、映画の仕上がりもなかなか良かったと思います。ただ、ただですよ。やっぱり私の頭の中との差は埋められることはなく、「私ならあの俳優さんをキャスティングするのになぁ」なんて勝手に監督になり切っていました。
でも、考え方によっては、自分の持っていたイメージとの違いを比べながらの映画鑑賞って、「それも楽し!」ですよね。